*わんにゃんLOVEストーリー【日常篇】*その4

わんこは隣の森の知り合いにある日ばったり会いました。
やあ、こんにちは。
にゃんこは人見知りです。でもその魚はおいしそうだな…

同じねこ同士で気があったのか彼女とにゃんこは仲良くなりました。
野原で彼女がそっと教えてくれました。
4枚の葉っぱのクローバーは幸せをはこぶといわれているの。それを大好きな人にあげるといいわ。
だいすきな人に……?

一方わんこは仲良さげなふたりに気が気でなく、こっそり木の陰から窺っています。
何話してるんだろ……。

なんでそんなに顔を近づけて話してるの?なんで楽しそうなの?
2人の様子にとうとうわんこは我慢できなくなりました。
うわああん。

わんこはにゃんこのやわらかいほっぺたに何度も何度も自分のそれをこすりつけて大号泣です。
心の中を荒れすさぶ嵐の理由がわんこにはまだよく分かりません。
ただにゃんこが他の誰かと仲良くしてるのを見るのが嫌なのです。
ボクとあそんで!ボクだけを見てて!おねがい!

落ち着いて、どうしたの?あのね、これ……。
にゃんこはわんこに4枚の葉っぱがついたクローバーを見せました。
大事な人にあげるんだって。だからキミにあげる。
幸せと愛情がちゃんとそこにあるんだから、信じて。

昼間はごめんね。そしてありがとう。
お月さまきれいだね。ずっとこうしていっしょに見ていたいな。明日もその次の日も何ヵ月後、何年後もいっしょに。
うん。見ようねいっしょに。約束ね。
仲むつまじく寄り添う二人の姿を月だけが見ていました。夜が更けていきます…。