mission2





「俺たちいつまでヒマなんだ。ヒマに殺されそうな気がしてきたぜ」
「なあなあ、きいてくれよ! 心配なんだよ!」
「何が」
「クラウドからメールの返事が来ねえ! 電話にも出ねえ!」
「…クラウド、ね。お前の新しい恋人が野郎だったって知らされたときに受けた俺の衝撃が分かるか、お前。それも相手がお前…」
「あいつに何かあったのかな!? なんかあって電話に出られねえとか…っ」
「…人の話聞けよ。相変わらずだなお前。単に忙しいんじゃねえの、俺たちと違って」
「昨日から全然連絡取れねえし! どうしよう、俺どうしたらいい!?」
「どうしようって言ったって…」
「何か仕事であったとかなら…、あ、本社に連絡してみたら事情分かるかも知れねえよな!? おし、俺ちょっと…」
「おい、お前ケータイ」
「あ、…ああっ!! メールの着信! クラウドからのメールだ!!」
「…噂をすればなんとか、だな。……? どうした? 何が書いてあったんだよ」
「……」
「あ、おい、俺たち一応任務中なんだから今は電話はヤバイって――」
「も、もしもしクラウド!? なんだよおい今のメール!!!……あ?! 心配してたんだぞ! 電話出ねえしメールの返信もないし、何かお前の身にあったんじゃないかって心配すんだろそりゃあ…っ」
「…電話の向こうの彼はどんな顔してるんだか。なんていうか…」
「じゃあ、何でもないんだな!? 怪我したとかそういうんじゃないんだな!? …よかったあ、や、マジで心配したんだから。…うん。俺は全然。大丈夫、むしろヒマすぎて腐りそうなくらい。だからお前のことばかり考えてるよ」
「……」
「なんだよ、いいだろ、別に。お前はどう? ちゃんとメシ食ってるか? …分かってるよ、ごめん。でもさ…ああ、うん、そうだな。こっち早く終わらせてとっとと帰りてえんだけどさ…。うん、お前に会いたくて仕方がないよ」
「……」
「元気ならいいんだ。でもさ、さっきのメールはひでぇって…。分かるけど…じゃあさ、アレ言ってよ。アレ言ってくれたら俺の機嫌はどーんと良くなると思うんだ! あ? 関係あるだろ。俺の士気が高まったらミッションぱぱーっと片付けることが出来ちゃったりして、早く帰れるかもしれないだろ? ばぁか、俺にはお前の一言がそれくらいの威力あんの」
「………アレってなんだ。なんだよこのいちゃついた会話。なんかむかついてきた…」
「ん、お願い。………ん。あ、ヤベ。俺勃ちそう」
「……っ!!!」
「あはは、怒るなって。ありがとな。帰ったら…約束覚えてるよな。忘れたなんて言わせねえぞ。いい子で待ってな。…分かった、じゃあな。愛してる、クラウド」





「は〜、よかったぁ。あいつ忙しかっただけだってさ。もーホント心配したぜ」
「……お前今ミッション中だってことマジで忘れてただろ」
「忘れてねえよー? おーし、なんかここでただ待ってるだけってのもいい加減飽きてきたし、ちょっとこちらから動いてみますかね♪」
「陽動か? だがそんな許可は…」
「こんな膠着状態が続いてたっていいことなんか何もねえだろ。だったらこっちから仕掛けてみるのもアリってことでね」
「…ていうか早く終わらせて帰りたいだけだろお前が。アレとか約束って何だよ、気になるだろが」
「やだなー、恋人達の会話を盗み聞きなんて、あ・く・しゅ・み」
「あれだけでかい声で目の前でしゃべっときながら、何が盗み聞きだっ」
「はいはい。冗談はここまでで。そろそろ本気モードに切り替えようぜ。――お前だって、早くミッドガルに帰りたいだろ? さっさとこんな仕事終わらせちまおうぜ」
「――ああ。それには異論はない。行こう。だが何かあったときの責任は言いだしっぺのお前が取れよ」
「うまくやればいいんだろ? あー、早く帰ってクラウドを胸に――」
「だからもうそれはいいっての! ゴチソウサマデシタっ!」
「お前も早く恋人見つけろよ」
「お前に言われたかないっ!!」









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